北山議員一般質問 本会議録画映像へのリンク
あおぞらの北山早苗です。
1、上高地の自然との共生について
中期総合計画 (案)の主要施策、観光立県「長野」の再興の中に、魅力ある観光地づくりとして「環境との共生」を掲げ、松本地域の施策展開にも「国立公園に代表される、美しく貴重な自然の恵みを将来にわたって保持する」と書かれています。
先日、信大で、上高地に関するシンポジウムが開かれました。立教大学観光学部の岩田修二教授は、「上高地の特徴である河辺林、とくにヤナギ群落の更新・維持のためには、蛇行・分流する流路を持った広い河原と、氾濫原の成熟した母樹林が必要で、川の撹乱がなくなれば、氾濫原の河辺林は極相林に変わり失われてしまう。上高地の貴重な財産を守るには、砂防工事と河川工事の中止、それに代わる防災計画と利用プランの検討などが必要」と言っています。
現在、国、県、市、地元観光業者でつくる連絡会議がありますが、研究者や自然保護市民団体も加わって、様々な観点から上高地の防災、保全と利用を考えていく必要があります。「上高地の自然環境との共生」の実現に向けて、このような協議の場づくりを積極的に進めていただけませんか。知事の見解をお尋ねします。
(村井知事答弁)
協議の場については、当面考えてはいない。
様々な県民の意見を踏まえ、国立公園を所管する環境省、関係機関、地元市町村、観光事業者等と協力して、上高地が国民共有の財産として次世代に継承されるよう、引き続き取り組んで行く。
様々な立場の意見をぶつけ合うなかで、自然との共生を模索する努力を、県が率先して行わないなら、総合計画は絵に描いた餅です。
2、浅川治水専用ダムと治水対策について
浅川治水専用ダム建設に関連する費用について土木部長にお尋ねします。本体だけで100億円と聞いていますが、地滑り対策や流木対策など他の費用全て含む総額を、どう見込んでいますか。
また、浅川ダム建設にそれ程の税金を優先的に投入することは、県全体の治水対策から見て、適切ですか?
(原土木部長答弁)
全体費用は、概略設計を進めて行く段階で取りまとめて行く。
治水事業は、色々な観点から、又ハード、ソフト両面からバランスを取って行く事が必要だ。
(県全体とのバランスについての具体的な答弁は無し)
そういう観点から、浅川治水ダムは概ね10年後の完成を目指して進めて行くことが必要だ。
<ここで図版パネル@「長野市洪水ハザードマップ」を揚げて>
部長に再度お尋ねします。これは、長野市の防災マップです。マップは県がつくった、1/100確率の雨が降った場合の浸水想定図が元になっています。
図の黄色いところは、50cm以下の浸水予想区域で、浅川の中流域です。青いところは、1m以上の浸水被害が予想されるところで、中でも濃い青は2m〜5m、薄紫色のところは5m以上で、内水と千曲川による被害です。
浅川ダムは外水被害を防ぐために造るとのことですが、青いところ、つまり1m以上、場所によっては5m以上の被害が有るところより、黄色い50cm以下の区域の被害を防ぐために、優先してダムを造るのは、適切ですか。
(原土木部長答弁)
これは1/100、ないしは1/200を想定して作られたもので、実際そうなるかとは別の問題だ。
千曲川においては今堤防の強化が行われており、そのような被害が発生しないような対策をすすめて行く。
知事にもお尋ねしたいのですけど。
何mもの浸水に対して、ダムの効果はあったとしても数mm〜数cmです。効果は無いに等しいということです。
こちらを見ていただきたいんですけれども<パネルA「県作成奈良井川水系浸水想定図」>、これは奈良井川水系の浸水想定図です。松本の中心市街地が真っ青です。治水対策としては、50cm以下の黄色い区域よりも、松本でも、長野でも、緊急性のある青い区域の対策に、税金は優先して投入すべきと思いますが、知事の見解をお尋ねします。
(村井知事答弁)
私は浅川についてあのような判断をした。
先ほどの図で述べられたことは、県知事の管轄ではない国直轄の千曲川の内水問題についてだと思う。
松本については、あのような問題があることを承知しているが、どのくらい急いでやるかは又別の問題だ。
浅川については様々な理由から早急にやるべきと判断した。
緊急性のない浅川ダム建設を優先する治水は誤り、中期総合計画案から削除すべきです。
3、森林税について
次に、森林税について林務部長にお尋ねします。
森林整備の必要性については異論はありませんが、財源の検討過程が疑問です。緊急性のない公共事業はやめるなど、6億8千万円を、節約による歳出削減で生み出すという検討が、なされたのでしょうか。財源確保を考える懇話会の議事録にも、そのような検討経過は見当たりません。はじめから税ありきで議論されて来たのではないでしょうか。
また、森林税で里山整備の補助率を7割から9割に引き上げるとのことですが、NHKテレビで、間伐を、森林組合に頼んだら7万円の赤字、企業組合に頼んだら23万円の黒字という事例が紹介され、補助率を安易に上げることに疑問を感じている県民もいます。
更に、森林組合では作業員が500人に対して、事務その他の業務従事者が200人もいると紹介されました。一人が様々な仕事をこなす企業組合と比べ、森林組合の体質や経営改善が求められると思いますが、このことに、県としてはどう関わってきたのでしょうか。
(加藤林務部長弁)
林務部として徹底的な歳出削減も検討してきた。
災害防止の観点から、間伐は先送りできない事態であり、なお財源が不足している。
このため、県では懇話会を設けて、税ありきでは無く幅広く検討いただいた結果、県民に森林税の負担をお願いするものだ。
助成は森林の整備作業に対して助成するもので、事業体の経営に対して助成するものではない。
引用された事例は、場所や現場条件が異なり、直接事業体の差を表すものではない。
森林組合は零細な森林所有者を束ね、地域の森林整備を支える中核的なもので、多岐の業務を行っている。
民間事業体との競争にも対応しうる健全な経営を指導している。
国も、新たな森林の担い手づくりを応援していますが、ある森林組合の2年前の組合だよりに、「最近業者の方が自己負担金なしで間伐をやらせていただきたいと訪問されることがあると思いますが、自己負担なしというのはお金になる木を伐採していく方法であり、十分注意してください。」と書かれ、企業組合や建設業などの新規参入を、排除しているようにも思えます。
県自身の歳出削減努力や森林組合の改革なしに、費用が足りないから安易に県民に負担を求めることには、疑問を感じる人も多く、知事の見解をお尋ねします。
(村井知事答弁)
交付税の削減等厳しい財政状況の中、県としても徹底した歳出削減を行っている。
そうした中、先送りできない間伐事業のために森林税の負担をお願いする。
4、廃棄物条例について
策定中の廃棄物条例について、知事にお尋ねします。
県は、計画協議制度を設けるから、処分場設置の申請時に、要綱で求めていた「住民同意書」を外すとしています。
しかし、この図<クリックで図を表示>のように、前県政の条例案の計画協議制度では、「発生抑制・資源化計画策定委員会」、「周辺住民」、「事業者」が"公開の場"で議論し、「県民環境協議会や一般県民」も意見を言える中で、民主的に施設設置の是非を決め、知事に答申するという仕組みでした。
今回の新条例案の計画協議制度は全く違う仕組みです。知事が「関係市町村」や「事業者」、必要に応じて「周辺住民」のそれぞれから意見を聞いた上で、知事意見を述べるというもので、知事の姿勢に左右される可能性があり、これでは条例化の意味がありません。
今回の新条例案のような計画協議制度であるなら、「住民同意」は外すべきではないと考えますが、いかがでしょう。
(※参考図:県作成「廃棄物の適正処理の確保等に関する条例(案)要綱解説資料」より抜粋した県案)
(村井知事答弁)
「地元同意制度」を条例に盛り込む事は、法律的に大変困難であることは前回の議会でも説明した。
今条例案の「事業計画協議制度」において、事業者の地元住民へのオープンで十分な説明を求めている。
その結果を知事が許可不許可の判断材料のひとつとすることによって、地域合意の形成が図られ環境も保全される。
更に、必要に応じて公聴会を開催する等、知事は「関係市町村」、「事業者」、「周辺住民」の意見を等しく聞く構成になっている。
あのですね、公開の場で民主的に議論をして、そして結論を出すという前条例案とは全く違う制度なんです。
そこで、再度知事にお尋ねしますが、先日、市民団体と「長野県がめざすべき廃棄物条例」についての提言を、提出いたしました。
県民の生活環境を守るために、生産・企業活動の出発点で、廃棄物の発生そのものを根本的に減らして行く「発生抑制」に、県民主体で取り組む姿勢を、条例で明確に打ち出すべきという提案でした。知事のお答えは「グローバル化の中にあって、発生抑制は奇麗ごと、出てくるものはどこかでしょわなければならない」というものでした。
そうなると増々、「住民同意」こそが、企業活動による廃棄物の環境負荷を抑止し、良好な環境保全を実際に担保するものとなり、「住民同意」を外すべきではいと思えますが、いかがでしょう。
(村井知事答弁)
「発生抑制」という概念は、それが出来れば良い事ではありますが、グローバル化された世界で、実際に制度化することは不可能ではないかと考える。
現実的な問題として行政が行うべき施策を、色々な議論をいただいて検討している。
あの、知事の考えはどうも違っているように思えます。で、時間が無いから言いませんけれども、是非、今度の木曜日に白馬で、金曜日に千曲市でゼロウェイスト宣言というものを出しました、国の施策を待っていてはダメで、地方から変えたいと言って立ち上がった上勝町長のお話があります。是非、知事は聞きに言ってください。
住民と共にゴミ問題を闘う、ゴミ弁連の事務局長・広田弁護士は、「『処分場ハイエナ論』という言葉があり、『あそこの首長(ないし住民)はトロイ』という噂が流れると、腐肉に集まるハイエナのごとく、ごみ業者が陸続と集中してくる現象」と、書いています。
「信濃町の処分場にはいるゴミに、町のゴミはありません」という住民の話に、「町内のものか、県外のものか、わかりません」と知事は答えました。そのような知事が、これから、処分場建設について判断するのでは、長野県がこれまでに経験したことのない廃棄物の流入が始まると、県民の皆さんは大変危惧しています。
無駄なダム建設をはじめ、前県政時より毎年の県債発行を200億円近く増やし、ゴミも、税負担も、だれかがしょわなければならないと、結局、県民に押し付ける村井県政に大変疑問を感じていると申し上げ、質問終わります。
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