2月定例議会討論

北山早苗
討論全文
 08/03/14

北山議員討論 本会議録画映像へのリンク

■第1号議案(平成20年度長野県一般会計補正予算案)に反対する討論
 あおぞらの北山早苗です。第1号平成20年度長野県一般会計予算案には反対です。
 この予算案を見た時に、なんて長野県は後戻りをしてしまったのだろうと悲しくなりました。
 村井知事は、公共事業費を19年度比で102.8%、県単独事業費を91.0%にしたことを、国庫補助金等を有効に活用をして、対前年度比100.3パーセントの事業費を確保したと、誇らしげにおっしゃっていましたが、削られた県単独事業費は土木、林務、農政、生活環境関連のハード事業だけではありません。
 こどもたちや障がいをお持ちの方たちを支援する事業、例えば希望の旅事業、障がい児受け入れのための保育士加配事業、障がい者の皆さんの日中活動拡大事業など、弱い立場の県民の皆さんを応援するために、県独自の施策として行われて来た事業が、ことごとく削られています。長期入院児童生徒訪問支援事業は、朝日新聞の声の欄に、入退院を繰り返している他県の高校生が、「長野県がうらやましい」と投稿した事業ですが、なんと、これも削られました。
 学校給食米粉パン導入事業は、まだ4割の学校でしか導入されていないのに、2年で打ち切られていて、地産地消のために米粉パンの研究や導入に、ずっと継続して力を入れている埼玉県とは雲泥の差です。環境にやさしい農業総合対策事業、地域担い手育成支援事業など、県単独で頑張る農家の方々を応援してきた事業も削られています。
 また、民間の金融機関が融資しているからという理由でNPOが受ける融資の利子補助金は削られ、民間金融機関の融資との利率格差をなくすからと、中小企業への融資制度の金利は引き上げられています。行政の役割を一体どう考えているのかと、疑問に思わざるを得ません。
 廃止された事業は74件、6億円以上にもなります。この他にも、高齢者や障がい者にやさしい住宅改良事業など縮小された事業もたくさんあります。
 これまで厳しい財政事情の中でも、長野県が踏ん張ってやって来たソフト事業を削り、国庫補助のついたハード事業を増やすための県負担金分に充てたというわけです。
 更に、元金償還額以上は借金はしないと言いながら、田中前県政時よりも年間の県債は増やしていることも、問題です。
 長野県の起債制限比率の推移を見てみると、平成16年度の17.4をピークに減少し、20年度には12.5となるのに、21年度からまた上がります。実質公債比率も同様に18年度の20.1からグンと落ちて来て、21年度には15.6となるのに、22年度からまた上がります。
 これは、起債制限比率や実質公債比率が過去3カ年の平均で計算するため、県民や職員の皆さんの協力を得て行った田中財政改革の恩恵のある20年、21年までは下がるわけですが、その後再び上がるのは、村井県政の借金体質、ツケの先送り財政の影響です。
 もっと言えば、財政破綻寸前の長野県の財政を立て直した前知事のおかげで、村井県政は安心して借金をし、そして、任期が終わる頃には再びその影響で財政状況が悪くなるというわけです。その尻拭いは一体誰がなさるのでしょう。
 浅川ダムの建設予定地の再調査を求める、ダム直下の浅川小や湯谷小などに通う、こどもたちの安心安全を憂慮するお母さんやお父さんたちの要望書を、村井知事は直接受け取ってあげようともせず、内水災害には役に立たないダム建設を強行するための調査費用を予算案に盛りました。
 本当に地域住民が願っている公共事業を行うには、国が示しているメニューではだめで、無駄をなくし、今ある施設を地域のニーズに合わせて改良できるような事業に、国からのお金が使えるよう、公共事業のあり方を変えなくてはいけないと、長野県がめざした、あの改革の精神は、一体どこに行ってしまったのでしょう。
 このような予算案には、到底承服でず、反対です。

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■第30号議案(廃棄物の適正な処理の確保に関する条例案)に反対する討論
 議第30号、廃棄物の適正な処理の確保に関する条例案に反対です。
 これまでの廃棄物政策は、大量生産社会のもと廃棄物はどうしても出るものと扱われ、その処理に莫大な経費と時間を費やしています。その結果、日本は世界の焼却炉の3分の2を保有する焼却炉大国となってしまいました。ゴミ処理経費は、日本の自治体全体で年間2兆円近くにも及び、地方自治体の財政を圧迫しています。
 こうした廃棄物政策は地球温暖化対策に逆行するだけでなく、各地で環境悪化の諸問題を引き起こしています。また、「廃棄物処理の決めて」と喧伝されるリサイクルも、コストや手間、環境への負荷を考えれば、ゴミ問題の根本的解決には決してなりません。
 廃棄物を巡る危機的状況の中で、わたしたち長野県民がめざすべき廃棄物政策と条例は、どのようなものであるべきなのでしょうか。
 それは、「廃棄物の発生を徹底して抑制し、また、廃棄物の再使用、再資源化、適正処理を行うことで、廃棄物に起因する環境負荷をできる限り低減すること。それにより、自然環境や生活環境の破壊、汚染の防止を図り、長野県の豊かな自然環境の保全と、県民の健康、安全、快適な生活を確保する」ことをめざす条例でなくてはなりません。
 今回の廃棄物条例案には、このような一番大切な視点が欠けています。「廃棄物の適正処理が行える施設を造れば良い」というだけの姿勢では、今日、県民が直面している様々な廃棄物にかかわる問題は解決できません。
 廃棄物処理施設建設にかかわる手続きでは、これまで必要とされていた「施設周辺住民との同意書添付」が外されました。信濃町からは町民や町長、町議会をあげて住民同意を外さないで欲しいと知事にも県議会にも要望がありました。飯綱町や中野市、立科町からも条例の見直しを求める要望がありました。「住民同意」こそが、企業活動による廃棄物の環境負荷を抑止し、良好な環境保全を実際に担保するものだからです。施設建設の可否を判断する際、いくら知事や県が責任を持つと言われても、ゴミの山が残ったときには、知事や県には責任はなく、排出事業者の責任ですと言うのでは、何の説得力もありません。
 また、処理施設の設置については、「法による手続きの前に、発生抑制・資源化計画に照らし合わせ、それに反した工事を知事が差し止めることができる」など、施設建設を全県的な発生抑制・資源化計画とリンクさせる仕組みが盛られるべきです。その点でも、発生抑制のない今回の条例では、判断基準のものさしを持たないため、その時々の首長の姿勢によって左右されたりするようなことになり、ダメ条例といわざえるをえません。

 また、同意書を外した計画協議制度について、県廃棄物対策課では「業者や反対住民、どちらから裁判を起こされても問題がない内容とした」と言っていると報道されたとおり、この条例は行政のための条例、つまり、行政が何処から突っつかれても言い逃れができる、そのための手続き条例です。
 前県政時に出された条例案は、県の廃棄物政策を県民主体で進めるための仕組みが盛られていました。「県民参加でつくり実行する発生抑制・再資源化計画」「廃棄物処理に関して、環境や健康面での調査や監視活動をするために、県民からの申請で知事が認定する"県民環境協議会制度"」「廃棄物の不適切処理や不法行為について、住民が行う知事への "行政権限発動請求権"」「自分たちの地域は自分たちで守ろうとする地域住民と県が費用を出し合って行う"環境モニタリング制度"」これら、県民主体の廃棄物政策を行う上で大事なツールになりうる仕組みを、今回の条例案ではすべてカットしてしまいました。今回の条例案が県民のためではなく、行政のための条例だからです。
 しかも、県内の廃棄物業界からも「今回の条例では、優良な業者が育たない」と、不評とのことで、これでは本当に、役人のための条例と言わざるを得ません。

 更に、この条例案は、実効性がありません。
 行政処分を勧告、公表までに留めてしまっています。実効性を伴った条例とするならば、廃棄物の処理が適正に行われるよう、知事の権限としての『措置命令発動も含む』ものにしなければなりません。平成17年に環境省から出された「行政処分の指針」では、「行政指導を繰り返すことで、違反行為が継続され、生活環境上の支障を招くことがあってはならない、躊躇なく命令や告発などの行政処分を行わなければならない」とあるのに、長野県の今回の条例は措置命令発動がない、国の法以下のものになってしまっています。
 つまり、こんな条例は、必要ないのです。国の法をきちんと守ってやっていけば良いのです。これまで、それを怠って来たからゴミの山が残ってしまっている、そのことへの反省もなく、最も喫緊の課題である発生抑制に真剣に取組む姿勢もなく、出てくるゴミはどこかで背負わなければならないと、ゴミは田舎や里山へ、さあ持っていらっしゃいという条例、長野県の宝である水や環境を守りたいという住民の自治を認めないような廃棄物条例は、全国的に見ても「恥である」と申し上げ、反対いたします

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